このページはお客様に安心してご発注いただくためのページです
●素材が悪くてめっきがつかないですよ。
●構造が悪くて製品が壊れる恐れがあります。
●それら是正のために納期に間に合わなくなります。
などなど、お困りになられたことはないでしょうか? このような場合は、再加工や運送費など、無駄な経費がかかり、場合によっては当社では加工できないこともあります。搬入してからお困りにならないために、できれば設計前にご確認、ご相談ください。すでに製作されてしまわれた場合も、ご連絡いただければ、処置方法を相談させていただきます。 以下、代表的な例をまとめました。
亜鉛めっきに適さない素材
最近よく見られる構造についてお話します。当社のめっきは、亜鉛の水溶液に鉄鋼製品を漬け込むようなイメージによく勘違いされますが、溶融亜鉛めっきはその名のとおり、亜鉛そのものを高温で溶かしたところに漬け込むのです。
この溶液は、蜂蜜のように粘り気が高いうえ、鉄約7.8に対して亜鉛約7.2と、比重がほとんど変わりません。そのため、少しでも中に空気が残っていれば、浮力の関係から製品が船のように浮いてしまい、その部分にはめっきができません。
また、400℃以上の高温になっていますので、少しでも水分が残っていれば、液体が水蒸気という気体になりその体積はあっという間に約3,000倍に膨張しますので、製品の破損・ひどい場合には作業者の事故につながります。
パイプで作られた手摺では、最低限、図Aの矢印部分の穴が必要になりますが、穴まわりからの亜鉛のたれや、かす等の付着により見苦しくなる可能性があります。図Bのようにすべて内部貫通穴があり、コーナー部に穴を開ければ、きれいにめっきすることができます。また図Cのような階段用の手摺などでは、曲がりのある部分にも穴が必要です。また、穴の径を下表に示します。
標準亜鉛および空気流通穴の径
パイプ径 | 標準穴径 | パイプ径 | 標準穴径 |
15A | 10φ | 32A | 16φ |
20A | 12φ | 40A | 20φ |
25A | 14φ | 50A | 22φ |
また、鉄骨建屋や立体駐車場などのコラム柱はベースプレート、テンプレートで蓋をされた密閉構造になっております。その場合、断面に対して20%以上の開口部が必要です。忘れてはならないのがダイアフラム。これも同じで、単に、断面に対して20%以上の穴があってもめっきをすることはできず、亜鉛と空気の通る道が必要です。袋状の部分があっては、亜鉛の溜まり、不めっき、水蒸気爆発による製品の破損、人身事故等に結びつきます。入荷時に検査をしますが、コラム柱の内面にダイアフラムが多数ある場合は、内部がはっきりみえず十分な検査が困難です。従って、標準的な穴あけ方法を下表に示します。
標準的穴あけ法
角パイプ | 穴サイズ | ダイアフラム,ベースプレート | 天プレート | |
R,φ1 | φ2 | |||
□-100 | 25 | |||
□-125 | 30 | |||
□-150 | 40 | |||
□-175 | 45 | |||
□-200 | 35 | 80 | ||
□-250 | 35 | 100 | ||
□-300 |
35 | 130 | ||
□-350 | 50 | 150 | ||
□-400 | 50 | 175 | ||
□-450 | 50 | 200 | ||
□-500 | 50 | 250 |
当社では、独自に製作した発注の手引の冊子がございます。その冊子には以下のような項目が図解入りでまとめられておりますので、ご希望の際には下記e-mailまでお問い合せ下さい。
尚、冊子は無料にて差し上げております。
請求先e-mail
[email protected]
- 1.亜鉛めっきの特長、工程、可能サイズおよび可能吊り重量、 経済性、耐久性、信頼性、密着力、納期、外観等などの説明
溶融亜鉛めっきの荷受から出荷までの図解工程説明および、品質検査度合い - 2.めっきの技術的な項目
めっき層組織、物性、防食機構、環境別耐用年数、鋼中成分のめっきへの影響等 - 3.歪発生と防止策
経験と実績からまとめあげられた、原因と対策 - 4.溶融亜鉛めっき規格一覧表
- 5.穴あけ、スカラップのポイント
密閉構造、形鋼加工品、タンク、ボックス類等図解入りで説明 - 6.外面めっき品の構造のポイント
組ヒータ、コイル、ラジエータ等めっきのポイント - 7.貼り合わせ部のポイント
溶接で貼り合わせする場合のポイント - 8.ボルトナットのクリアランス、不めっき処理法、添接面の処理方法、マーキング法